TSURUGI NEWSLETTER (TNL29)

発行番号:29

文 責:嶋貫賢男

*下記はTSURUGI SOLUTIONが独自に作成した抄訳・要約・解説です、正確な全文は原典をご参照下さい。原典は各リンクからダウンロードできます。

1.労働職業訓練省のオンラインサービスの利用案内書(2021年1月)

労働省への企業登録、従業員の雇用登録など、労働職業訓練省に対して行う必要がある手続はオンラインで実施することができます。本案内書は、これらの申請手続と料金支払方法を解説するものです。

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2.給与税の計算方法に関する省令(2021年10月11日 経済財務省令 543号)

本省令は、労働者(カンボジア人・外国人・居住者・非居住者を含む)に対して支払われる給与に対して課税される給与税の計算方法を規定したものです。

  • 当該労働者がカンボジア国内に居所または住所・拠点を有する場合、または課税年のいずれかの時点の直近12か月間のうち182日間を超えてカンボジアに滞在した場合(1日に満たない滞在も1日の滞在とする)、居住者として扱う。
  • 労働者に支給された金銭のうち、企業の事業のために使用され、金額が相当で、領収書等で証明できる部分については、給与税は課税されない。
  • 退職時の補償金のうち法定金額部分については、給与税は課税されない。
  • 制服等の支給物で退職時に雇用者に返還するものについては、給与税は課税されない。支給物は業務上の必要性があり、当該業務に従事する労働者全員に対して同様に支給されるものでなければならない。
  • 子供扶養控除は子1人につき月額150,000リエル(父母両方が給与所得者の場合は控除を受けられるのはどちらかのみ)、家事専業配偶者控除は月額150,000リエル。

等が規定されています。

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3.財務諸表の提出期日の延長許可を受けた企業及び12月31日と異なる決算日を使用する許可を受けた企業の2020年の財務諸表の送付(2021年9月15日 会計・監査規制当局指導 0016号)

本指導は、財務諸表の提出期日の延長の許可を受けた企業、及び12月31日と異なる決算日を使用する許可を受けた企業に対して、2020年の財務諸表の送付について指導するものです。

    1. E-Fillingシステムを使用するために事前に会計・監査規制当局に連絡すること。
    2. 追加延長の許可を受けた企業は、その許可証の所定期日に従うこと。
    3. 12月31日と異なる決算日を使用する許可を受けた場合、決算日から6か月15日間以内に財務諸表を提出することを原則とする。

    上記に従わない場合は行政罰の対象となります。

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4.車両安全証明書(2021年9月17日 産業科学技術革新省通知 2019号)

本通知は、カンボジアに新品車両を輸入する企業に対して、以下の書類を添付して産業科学技術革新省へ車両安全証明書申請をするよう通知するものです。

  • 製品テストのレポート(Test Report)
  • 適合証明書(Certificate of Conformity)
  • 工場検査報告書(Factory Inspection Report)
  • その他の関連する書類

車両安全監査を妨害した者、または安全証明書を保持していない者は罰則の対象となります。

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5.労働法の改正(2021年10月5日)

本法律は、カンボジア労働法の123条、138条、162条、300条、343条、350条、363条及び367条を改正するものです。主な改正点は下記のとおり。

  • 123条:使用者が破産・解散した場合、労働者は最後の6か月分の給与債権につき先取特権を有し、使用者の財産から優先的に弁済を受けられると規定されていますが、今回の改正により、この権利は他の先取特権及び国の公的債権にも優先する旨が明示されました。
  • 138条:勤務時間は事業所や業務内容に応じて自由に設定でき、1日を複数のシフトに区切ることも可能です。1日を朝・昼・夜の3シフトに区切ることもできますが、この場合も137条の労働時間の制限(1日8時間、1週48時間)に従うことと明示されました。
  • 162条:労働者が有給で休暇を取ることが認められている祝祭日に労働者を勤務させる場合は、労働監査官の検査下に置かれると規定されました。具体的な手続は労働省令で規定するとされています。
  • 300条:改正前は、労働者1人または数名による個別の紛争は、労働監査官による和解または裁判所による解決しか選択できず、労働委員会による労働仲裁は利用できませんでした。今回の改正により、集団紛争だけでなく個別紛争についても、労働委員会による労働仲裁が利用できることとされました。

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6.競争法(2021年10月5日)

本法律は、消費者の利益を保護するためにカンボジアの市場における不正な競争を防止するための規制法です。下記のような行為が禁止されています。

  1. 下記のような水平的協約(競争者間の契約)は禁止する。
  • 価格を調整する合意
  • 商品・サービスの量、種類、新規開発を制限する合意
  • 競争関係にある事業者間で担当地域を分割する合意
  • 競争関係にある事業者間で担当顧客を分割する合意
  • 私的競売において特定の入札者を優遇すること
  1. 下記のような垂直的協定(売主と買主間の契約)は禁止する。
  • 販売者が購入者に対して再販売価格の最低金額を要求すること、または再販売に一定の条件を付すことを要求すること
  • 市場に重大な影響を与えうる下記の合意をすること
  • 購入者に対して、再販売の地域を限定するよう要求すること
  • 購入者に対して、再販売先となる顧客を限定するよう要求すること
  • 購入者に対して、特定の商品を当該販売者からのみ仕入れるよう要求すること、またはそれに近い要求をすること
  • 販売者に対して、他の購入者に対して販売することを禁止すること
  • 購入者に対して、購入者が希望する商品に加えて無関係な商品をセットで購入するよう要求すること
  1. 市場において優越的地位にある者が下記の行為をすることは禁止する。
  • 仕入元または販売先に対して、自己の競争相手と取引しないよう要求すること
  • 競争相手に対して商品の供給を拒絶すること
  • 購入者に対して無関係な商品をセット購入することを条件に特定の商品を販売すること
  • 原価を下回る金額で商品を販売すること
  • 競争相手に対して、商品提供に不可欠なインフラの利用を禁止すること
  1. 市場に対して重大な競争抑制効果を持つ企業買収等は禁止する。

上記の取り締まりは本法律により設置され商業大臣が主導するたカンボジア競争委員会(Cambodia Competition Commission: CCC)が担当します。

2, 3, 4に違反した者は違反があった年(最大3年間分)の年間売上の3% – 10%の金額に相当する罰金を課すとされています。

1に違反した者は1か月から2年間の収監、及び500万リエルから100百万リエルの罰金を課すとされています。

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7.憲法改正案(2021年10月8日 内閣プレスリリース 04号)

閣議により憲法改正案が決定されました。政府トップの役職者の多重国籍を禁止する等の内容が含まれています。

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8.労働者の3回目の新型コロナ予防接種(2021年10月11日 労働職業訓練省通知 043号)

本通知は、事業主に対して、3回目の新型コロナ予防接種を受ける労働者に対して接種当日は有給で1日の休暇を与えるよう要請するものです。

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9.新投資法(2021年10月15日)

本法律は、従来の投資法の内容を一部改正し、一定の要件を満たす投資プロジェクト(適格投資プロジェクト:QIP)に対する免税措置を拡大するなどカンボジアに投資するインセンティブを規定した法律です。具体的な適用範囲等は今後の省令で規定される予定です。

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10.監査法の第18条に関する改正法(2021年10月16日)

本法律は、総務監査役および副総務監査役の選任に関する監査法第18条を改正し、下院議員の過半数で選任され、王令により任命され、任期は5年間とするものです。

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11.カンボジア入国の条件、保険措置、隔離期間(2021年10月16日 保健省通知 453号)

本通知は、新型コロナ予防接種を打ったカンボジア入国者に対して、入国時の隔離期間を短縮する旨を通知するものです。

  • 政府の公式ゲスト、及び外国から帰国した政府高官は、政府の決定に従って措置を実施する。
  • 投資家、専門家、大使館職員、公的プロジェクトに従事する公務員、国際機関職員、及び外国から帰国した政府公務員は、3日間の隔離を実施する。
  • その他の旅行者は7日間の隔離を実施する。ただし、予防接種を打っていない者は14日間の隔離とする。

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12.保証証書及び招待の証明書(2021年10月17日 経済財務省プレスリリース 番号なし)

外国人の投資者、専門家、及びその家族としてカンボジアに入国する場合、カンボジアの企業から保証書(Certificate on Guarantee )及び招待の証明書(Certificate on Invitation)の発行を受ける必要がり、これらの書面を作成するためのオンライン申請システムの運用が開始しました。申請はwww.registrationservices.gov.khから行い、証明書の有効性は30日間で1回だけ使用することができます。

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13.社会保障基金(NSSF)の拠出義務(2021年8月19日 政令 144号)

本政令は、公務員を含む労働者の賃金からのNSSF拠出義務を規定するものです。民間の労働者の 場合、月額給与のうち400,000リエル(約100ドル)から1,200,000リエル(約300ドル)までの部分につき、社会保障基金の支払義務が生じます。

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14.カジノ業の最低資本金(2021年8月26日 政令 166号)

2020年11月14日に商業賭博法が成立しました。これを受けて、本政令はカジノ業を運営するために要求される最低資本金額を規定するものです。

商業賭博法施行後にカジノライセンスを取得する場合:

  • ギャンブルセンター内で行うカジノ:800,000,000,000リエル(約200,000,000米ドル)以上
  • ギャンブルセンター外で行うカジノ:400,000,000,000リエル(約100,000,000米ドル)以上

商業賭博法施行前にカジノライセンスを取得した者は、下記金額まで増資することでライセンス更新が可能:

  • 1年目:50,000,000,000リエル(12,500,000米ドル)以上
  • 4年目:100,000,000,000リエル(25,000,000米ドル)以上
  • 7年目:200,000,000,000リエル(50,000,000米ドル)以上
  • 11年目:300,000,000,000リエル(75,000,000米ドル)以上
  • 15年目:400,000,000,000リエル(100,000,000米ドル)以上

カジノのライセンスの申請及び更新の手続きはカンボジア商業賭博管理委員会の省令002号に所定されます。

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15.不動産業・質業に関する紛争の和解手続の移管(2021年10月26日 不動産業及び質規制当局 通知 507号)

不動産業、質業、譲渡担保業に関する紛争の和解手続につき、2020年1月20日付の不動産開発事業管理に関する省令089号及2017年1月13日付の質及び譲渡担保業の管理に関する省令030号に基づいて不動産業・質・譲渡担保管理局が担当していましたが、本通知は、この管轄が不動産業・質規制当局に移管された旨を通知するものです。紛争がある者は不動産業・質規制当局の番号078 266 268/ 077 749 958宛にTelegramで申請書を送付することができます。

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16.2022年の有給休暇(2021年10月27日 労働職業訓練省令 277号)

本省令は、2022年に労働者が有給で休暇を取る権利を有する有給祝祭日を発表するものです。

1月1日     (土) 新年

1月7日     (金) 虐殺政権からの解放日

3月8日     (火) 国際女性の日

4月14日(木)‐ 16日(土) クメール正月

5月1日     (日) 国際労働者の日

5月14日   (土)   シハモニ国王誕生日

5月15日   (日)   仏誕節

5月19日   (木) 王室始耕祭

6月18日   (土) モニク前王妃誕生日

9月24日   (土) 憲法記念日

9月24日 (土)‐26日(月) プチュンバン

10月15日 (土) シハヌーク前国王記念日

10月29日 (土) シハモニ国王即位記念日

11月7日 (月)‐ 9日(水) 水祭り

11月9日   (火) 独立記念日

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