発行番号:26
文 責:嶋貫賢男
*下記はTSURUGI SOLUTIONが独自に作成した抄訳・要約・解説です、正確な全文は原典をご参照下さい。原典は各リンクからダウンロードできます。
2.輸入した製品を通関手続完了前に受け取るための手続(2021年6月22日 経済財務省令 356号)
本省令は、関税法第14条を効果的に実施するため、下記製品につき通関手続完了前に受取人が引き取ることができる手続を定め、迅速な受領を実現するものです。
- 省庁・公的機関の輸入品
- 資金提供計画及び公共投資プロジェクトで輸入する製品で、カンボジア開発評議会及び/又は経済財務省から関税及び付加価値税を国家負担とすると許可されたもの
- 民間投資プロジェクトで輸入する建築材料、建設機械、製造設備、原料。
- 課税標準額、製品分類、原産地などをまだ特定できていないが、緊急または必要性があるもの。
- 異議に対する決定がまだ出されていない製品、または一時的に保留された製品
- その他、経済財務省が許可した製品
上記製品を通関手続完了前に引き取るためには、関税消費税総局に書面による申請をしなければなりません。経済特区開発業者及び経済特区投資者の製品には、経済特区の特別関税手続が適用されます。
3.独占的商標使用権の保護を受けるための手続(2021年6月25日 商業省令 0117号)
本省令は、2015年8月6日付の独占的商標使用権の認証に関する政府指導07号に定められた独占的商標使用権を明確化するものです。独占的商標使用権の登録を受けた者は、1)その製品を独占的にカンボジアに輸入・販売する権利を有し、2)独占権を侵害してカンボジアへ輸入・販売を行った者に対して関税消費税総局(GDCE)、その他の当局、または裁判所に対して輸入禁止の訴えを提起する権利を有しますが、3)カンボジア国内で1度販売された製品については、独占権は消滅します。
独占的商標使用権を登録するためには、不正競争法第3条に基づき商業省知的財産局へ申請します。申請には下記要件が必要です。
- 申立者は法人に限る。
- 商標権者が第三者に独占使用権を付与する際の独占権授与状は、授与者と授権者が署名した書面に公証人、外務国際協力省、または司法省による署名真正認証を付すこと。
- 商標権者から独占使用権を付与された者は、独占権授与状の日付から6か月以内に商業省知的財産局へ申請することにより、独占的商標使用権証明書を受けることができる。
- 独占的商標登録証明申請には、省令で定められた手数料を支払わなければならない。
商標登録または商標使用権授与による独占権の証明書の効力は発行から2年間で、延長したい場合は期間満了の30日前までに申請しなければなりません。なお、以下の商品については、商標登録または商標使用権授与状による独占権の証明を行うことができません。
- すでに使用されている全ての商品
- 人間及び動物の医薬品
- 肥料と農薬
- 法律で禁止された商品
公的企業、適格投資プロジェクト、一定規模を超える企業など、一部の企業は、ノンバンク金融サービス当局に以下のとおり監査した年次財務諸表を提出しなければなりません。
- 2020年からのNACへの財務諸表提出はE-Filing システムで行うこと。
- 提出する諸表は以下のとおり:
- 会計基準に基づく完全な財務諸表
- 独立監査人レポート(Independent Auditor’s Report)
- 経営者レポート(Report of the Management)
- acar.gov.khにてE-Filingシステムのアカウントを作成して手数料を支払い、書類を提出すること(詳細はE-Filingシステムのガイドブック参照)
- 財務諸表の提出を怠った者または遅延した者は、2020年6月1日付の会計及び監査法の違反行為に対するペナルティの政令79号の罰則の対象となります。
- 本指導の日から適用します。
2021年7月13日付のNACの通知237号により、2020年の監査済み財務諸表の提出は2021年7月30日まで延長します。詳細は096 222 2659番に連絡すること。
5.決算日の変更を希望する企業に対するリマインド(2021年7月8日 ノンバンク金融サービス当局(NAC)通知 番号なし)
カンボジアの企業は還俗として12月31日を決算日としなければなりませんが、会計及び監査法第21条に基づき、企業は相当な理由を証明して決算日の変更を申請することができます。ところが、これまでに多数の企業が許可を受けずに決算日を変更していました。許可なく所定の決算日に違反した場合は、罰則の対象となります。決算日の変更を申請したい場合は、本通知添付の書式を使用して、国立会計委員会に提出してください。詳細は086 878 843番に連絡すること。
6.投資法改正、労働法改正、その他の問題についての閣議結果(2021年7月9日 政府プレスリリース 03号)
2021年7月9日の閣議で下記の議論が行われました。
1-カンボジア投資法案:
カンボジアへの投資を促進するため、1994年及び2004年の投資法を改正し、新しい投資法案が作成されました。本法案は12章、42条で構成され、投資適格プロジェクトの登記、許可証の発行手続きなどを改正しています。
2-労働法の改正法案:
本法案は労働法の第123条、138条、162条、300条、343条、350条、363条及び367条を改正するもので、夜間勤務の賃金は130%を維持するとしています。
7.受刑者の条件付き仮釈放の手続き(2021年7月14日 司法省令 090号)
本省令は、受刑者が収監されている場所の始審裁判所長に、条件付き仮釈放の権限を付与するもので、刑事訴訟法第514条、第515条及び第516条を具体化するものです。条件には、教育を受けること、住居制限などの条件を付して受刑者を釈放します。