発行番号:06
文 責:嶋貫賢男
*下記はTSURUGI SOLUTIONが独自に作成した抄訳・要約・解説です、正確な全文は原典をご参照下さい。原典は各リンクからダウンロードできます。
2. 外国の会計士・監査人が会計・監査報告書への署名を継続するために必要な手続き(2020年5月11日 経済財務省指導 001号)
本指導は、外国人がカンボジア国内で会計・監査業務ライセンスを取得し、カンボジア国内で会計・監査報告書に独立して署名することを継続するための要件を示したものです。
主要な要件として、ASEAN国籍者はASEAN CPAを、その他の外国人は外国会計士登録 (Registered Foreign Professional Accountant: RFPA)を受けていることが必要とされています。ASEAN CPA及びRFPAの詳細は、ASEAN MUTUAL RECOGNITION ARRANGEMENT ON ACCOUNTANCY SERVICES (ASEAN MRA on Accountancy)に記載されています。
その他、適切な労働許可証を保持していること、2019年に90日以上カンボジアに滞在していたこと(新規登録の場合は申請時までに60日以上カンボジアに滞在していたこと)、及び権利付与から1年間のうち182日を超えてカンボジアに居住すること、等の要件が規定されています。
カンボジア政府はCOVID-19の影響を考慮して2020年4月5日から白米の輸出を一時的に停止していましたが、本レターは、カンボジア米連合会の要請に応え、2020年5月20日から米の輸出を再開することを決定した旨を通知するものです。
5.全種類のマスクの輸出許可(2020年5月13日 経済財務省レター 3916号)
本レターは、COVID-19蔓延によりカンボジア国内・国外でマスク・医療器具・防護服(Personal Protective Equipment)が必要とされていることに鑑み、またカンボジア縫製工場協会(GMAC)の要請に応え、国内供給及び輸出のために縫製工場がマスク・医療器具・防護服を製造することをカンボジア政府が認め奨励する旨を通知するものです。
6.カンボジア人が違法に国境を越えることの防止(2020年5月13日 内務省レター 2396号)
本レターは、COVID-19感染拡大防止のため隣国が非常事態にある中で、一部のカンボジア人がブローカーによって違法に国境を越えて隣国へ入国する事例が発生していることに鑑み、国境管理の強化・カンボジア人の安全確保・カンボジアにおけるCOVID-19感染拡大防止のため、内務省が関係当局に対して下記の通り指導するものです。
- 実力を有する所轄当局が違法越境の防止措置をとることができるよう、州レベルの会議を早急に開催すること。
- カンボジア人を違法に越境させて隣国へ入国させているブローカーを調査・捜索し、身柄を確保すること。
- 隣国の当局が違法越境したカンボジア人の身柄を拘束した場合、州当局は隣国当局と連絡を取り合い、カンボジア人をカンボジアへ送還するよう掛け合うこと。また、その際は適切に健康診断・隔離・帰宅がなされるよう配慮すること。
- 現在のところ、隣国はまだCOVID-19感染拡大防止のための非常事態にある。よって、州当局は住人に対して当分の間は絶対に隣国へ行かないよう、教育し広報すること。
- カンボジア政府及び保健省によるCOVID-19感染拡大防止の各指導を引き実施すること。
7.レストラン・食堂の事業主に対するCOVID-19への再度の注意喚起(2020年5月18日 プノンペン市役所通知 042号)
カンボジア国内のCOVID-19はいったん治まりましたが、プノンペン市役所がチェックしたところ一部のレストラン・食堂で店側も客側もCOVID-19予防策を怠っていることが確認されたことに鑑み、本通知はプノンペン市内の全レストランに対して下記のとおり注意を喚起するものです。
- 全てのレストラン・食堂の事業主は、保健省が出したCOVID-19撲滅指針を遵守すること。
- 出入口に手を洗うためのアルコールまたはジェルを設置し、レストラン・食堂に入店する前に全ての客の体温測定を実施すること。
- 保健省の指針に従い適切なソーシャルディスタンスを保つこと。
レストラン・食堂の事業主がこの指導に従わない場合、プノンペン市はその事業を一時的に閉鎖させる。
8.博物館の再開許可 (2020年5月19日 保健省レター 096号)
本レターは、カンボジア国内で1か月間以上にわたりCOVID-19新規感染者が確認されていないことに鑑み、これまで同様の感染防止策を継続した上で2020年6月から各博物館の営業を再開する旨を通知するものです。
9.工業・農業・商業・サービス業における電力使用の優遇措置(2020年5月20日 鉱物エネルギー省令 0198号)
本省令は、COVID-19による事業停止・縮小の影響を考慮して、2020年6月から2020年10月までの期間、工業・農業・商業・サービス業の分野における電力使用を下記のとおり優遇する旨を通知するものです。
- 事業停止・縮小となった工業・農業・商業・サービス業については電気料金の最低支払金額と段階的料金の適用を免除し、実際に使用した電力量に応じた平均値で計算した料金を支払うものとする。
- 事業に大きな影響を受けていない工業・農業・商業・サービス業は、これまでどおりの電力料金とする。
- 生産量を増大させる工業・農業・商業・サービス業は、2020年1月から3月までの月間平均電力使用量を超える使用電力につき25%の減額とする。
上記の優遇策を受けるためには鉱物エネルギー省への申請が必要(電力総局談)。
10.旅行者がカンボジアに入国するための要件(2020年5月20日 保健省レター 101号)
本レターは、COVID-19予防のため、空路・陸路・水路を問わずカンボジアに入国する者につき下記の措置を採る旨を通知するものです。
- 2020年3月14日・15日の告知によるイラン・イタリア・ドイツ・スペイン・フランス・アメリカ合衆国から来る外国人への入国禁止措置は、撤廃する。
- カンボジア人・外国人を問わず、外国からカンボジアへ入国する者は、72時間以内に各国政府の認定保健所が発行したCOVID-19非感染を証明する健康証明書(Health Certificate)を保持しなければならない。また、カンボジア滞在中は5万米ドル以上の健康保険を有しなければならない(これはAビザまたはBビザを有する外交官・国際機関職員には適用されない)。
- カンボジア人・外国人を問わず、カンボジアに入国する者は所定の場所でCOVID-19検査を受けて結果が出るまで待機しなければならない。一人でも陽性が出た場合は同乗者全員が所定の場所で14日間の隔離を受けなければならない。全員陰性の場合は14日間の自宅隔離とし、13日目に保健所職員から再度検査を受けること。
11.ナショナルスポーツ協会・スポーツジムのCOVID-19対策の継続(2020年5月20日 教育省通知 30号)
本通知は、カンボジア国内では1か月間にわたり新規感染者が出ておらず122人の感染者は全員治癒し死者はゼロであったが、まだ注意が必要な状況であり第二波感染のおそれもあることに鑑み、教育省がナショナルスポーツ協会及びスポーツジムに対して下記のとおり指導するものです。
- 消毒・マスク着用・体温計測等のCOVID-19対策措置は継続すること。
- スポーツをするために選手が集合してトレーニングすることはまだ許可しない。
- スポーツジムの営業はまだ許可しない。
- 競技大会の開催は許可しない。
- 政府からの正式な再開許可を待つこと。
12.スポーツ分野の段階的再開(2020年5月22日 教育省告知 番号なし)
*上記教育省通知30が出た後、一部が変更されスポーツ選手の競技会・集合練習が許可された。スポーツジムの再開許可については触れられていない。
本通知は、COVID-19対策委員会が下記のとおりスポーツ分野を徐々に再開する旨を通知するものです。
- ナショナルスポーツ協会の公式競技の再開を許可する。ただし、無観客とし、ナショナルスポーツ協会の管理下で合計100名を超えない選手・技官のみで運営するとともに、保健省による衛生措置を実施しなければならない。この許可は2020年6月から適用する。
- 教育省の管理の下、代表選手が集まって練習再開することを許可する。ただし、保健省によるCOVID-19感染防止措置及び第二波発生防止措置を遵守すること。
- 再開する前に下記の措置を実施するための準備を整えること。
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- 清潔な水と石鹸またはアルコールまたは手洗いジェルを使用した頻繁な手洗い。
- 口と鼻を塞ぐために、マスクの着用(必要に応じて)、またはタオルまたはクロマーまたはペーパータオルの使用(使用後は適切にゴミ箱へ捨てること)。
- ソーシャルディスタンス及び安全間隔の確保。
- 上記によるスポーツ再開を実施する場所ではCOVID-19感染防止措置を適切かつ強固に実施するとともにこれを適切にチェックする者を配置し、スポーツの場所がCOVID-19の感染地とならないよう万全を期すこと。