TSURUGI NEWSLETTER (TNL15)

発行番号:15

文 責:嶋貫賢男

*下記はTSURUGI SOLUTIONが独自に作成した抄訳・要約・解説です、正確な全文は原典をご参照下さい。原典は各リンクからダウンロードできます。

1.キャピタルゲイン税の計算(2020年4月24日 租税総局指導 10918号)

本指導は、租税法第7条(新)及び2020年4月1日付のキャピタルゲイン税に関する省令346号に基づくキャピタルゲイン税の計算方法を示したものです。キャピタルゲイン税の税率は20%とされており、適用開始は2021年まで延期となりました。

課税対象となるキャピタルゲインは売却収入から取得原価及び売却費用を控除した金額であり、費用を控除するためには、1)費用の発生原因事実を証明できる証拠、2)費用に関連して行われた経済活動の結果、3)費用の金額を証明できる領収書等の証拠、の全てを満たす必要があります。

不動産のキャピタルゲインは、売却収益の80%を取得原価・費用とみなして計算する方法と、実際の取得原価・費用を書証で証明して控除する方法のいずれかを選択することができます。他方、不動産以外の資産の場合は、実際の取得原価・費用を書証で証明する方法のみ認められています。なお、取得原価と費用の合計が売却収入を上回った場合でも、損失分を他の資産のキャピタルゲインと損益通算することはできません。

納税者は、キャピタルゲインの認識時から3か月以内に税務当局へ税務申告書を提出しなければなりません。

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2.カンボジア信用保証協会(CGCC)の設立(2020年9月1日 政令 140号)

本政令は、経済財務省の管轄下にカンボジア信用保証協会(CGCC)を設置するものです。金融機関による貸付に対する信用保証の提供などの役割が期待されます。

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3.2020年の不動産税の支払期間の延長(2020年9月25日 租税総局通知 22259号)

全ての不動産所有者は毎年9月末日までに不動産税を支払わなければならず、支払を怠った場合は罰金の対象となりますが、本通知は2020年の不動産税の支払い期限を2020年10月31日まで延長する旨を通知するものです。同日までに支払えば罰金を免れると規定されています。

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4.建築許可証及び建築現場開設・閉鎖許可証(2020年9月25日 国土省建設総局通知 341号)

2019年に公布された新建築法により、全ての建築物は建築許可証及び建築現場開設・閉鎖許可証を取得しなければならないとされていますが、本通知は同法施行前に建築された下記建築物については建築物使用許可証を取得しなければならないと規定するものです。

  • 新建設法の公布よりも前に建築完了し現在でも使用されている全てのボレイ、集合住宅、商業ビル、オフィスビル、産業工場、倉庫、ステーション、ホテル、ゲストハウス、オイルガスステーションのうち、建築許可を受けずに建築され、または建築許可と異なる建築がなされたもの。
  • 2019年11月2日よりも前に工事完了となった工事で、建築許可は受けたが建築現場開設・閉鎖許可証を取得しなかったもの。

上記の建築物使用許可証の申請は新建築法が公布された2019年11月2日から2年間(2021年11月2日まで)のうちに行うこととされ、この期間内に申請しなかった者は建築法に基づき処罰されると規定されています。

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5.鉱物製品価格にかかる手数料率及びその支払手続(2020年9月28日 経済財務省及び鉱山エネルギー省共同省令 760号)

本共同省令は、鉱物資源ライセンスを取得した者に対して、本省令所定の手数料率で算定した手数料を支払うよう規定したものです。手数料はの支払は、鉱山エネルギー省又は各州の鉱山エネルギー局に対して、各四半期の初月15日までに申告し20日までに支払うこととされ、これに遅れた場合は月利2%の罰則が適用されると規定されています。

手数料額は鉱物の種類ごとに異なり、例えば砕石は1USD/㎥、砂利は0.85USD/㎥、砂は0.7USD/㎥等と規定されています。

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6.大量破壊兵器拡散の資金源として凍結された資産の使用及び処分(2020年9月30日 政令 159号)

大量破壊兵器拡散への資金提供防止法により大量破壊兵器拡散の資金源となる資産の凍結が規定されましたが、本政令はその凍結資産の使用及び処分について定めたものです。凍結資産の占有者は、裁判所の決定を得た上で、その凍結資産を資産管理にかかる諸費用の支払や凍結前に締結された契約の履行等の目的に限り使用することができるとされています。

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7.マネーロンダリング、テロ資金、及び大量破壊兵器拡散資金防止のための国家委員会(2020年9月30日 政令 160号)

本政令は、マネーロンダリング及びテロ資金供与防止法、及び大量破壊兵器拡散への資金提供防止法の適用を推進するために、マネーロンダリング、テロ資金、及び大量破壊兵器拡散への資金供与防止のための国家委員会の構成・役割を定めたものです。本政令は、2017年10月20日付2015年6月12日付マネーロンダリング及びテロ資金防止のための国家委員会設置に関する政令79号第1条を改正する政令178号及び2015年6月12日付マネーロンダリング及びテロ資金防止のための国家委員会設置に関する政令79号に取って代わるものです。

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8.大量破壊兵器拡散に対する資金提供防止法の適用手続(2020年9月30日 政令 161号

本政令は、大量破壊兵器拡散に対する資金提供防止法の適用手続を定めたものです。国連安全保障理事会が特定の者を名簿に登載した場合、外務国際協力省が司法省に対してその旨を通知するレターを送付し、その後司法省が始審裁判所に対して資産凍結の申立をするとされています。

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9.COVID-19の影響を受けた者に対する追加措置(第6回)(2020年9月30日 政府プレスリリース 番号なし)

カンボジア政府は、COVID-19の影響を受けた者を支援するための第6回追加措置を発表しました。

縫製業・観光業に対して

  1. 労働省から雇用契約停止の許可を得た企業の労働者に対する政府支援金の支給を延長することとし:
    • 縫製製靴旅行用品製造業については、政府は2020年12月末までの3か月間、労働者一人につき月額40米ドルの支援金を支給し、使用者はこれに30米ドルを加え、各労働者が月額70米ドルを受け取ることとする。
    • ホテル業、ゲストハウス業、レストラン業、旅行代理店業等の観光産業で働く労働者に対して、政府は2020年12月末までの3か月間、労働者一人につき月額40米ドルの支援金を支給し、使用者はそれぞれの資力に応じて自主的に上乗せ手当を支給すること。
  1. プノンペン市、シェムリアップ州、シハヌークビル州、ケップ州、カンポット州、バヴェット市、ポイペト市で事業を行っているホテル、ゲストハウス、レストラン、旅行代理店で、租税総局に税務登録されている者に対して、2020年10月から 12月までの3か月間、全ての月次申告税を免除する。
  2. 国家社会保障基金(NSSF)の社会保険料の支払延期措置は2020年12月末まで延長するが、2020年12月までに経済状況を見極め、状況改善がみられる場合は通常に戻し、使用者が2%負担、労働者が2%負担として社会保険料を支払うことにする。
  3. 旅行代理店その他の観光業者に対して、2020年の事業登録税(Patent Tax)及び看板税を免除し、2020年の税務監査期日は延期する。

航空会社に対して

  1. カンボジアで登録されている航空会社に対して、2020年10月から12月までの3か月間、Minimum Taxの免除措置を延長する。
  2. 民間航空庁に対する未払料金の支払延期措置を2020年12月まで延長し、その後は分割払いすることを認める。

貧困家庭及び弱者に対して

2020年10月から12月までの3月間、貧困家族及び弱者に対する支援金の支給を継続する。

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10.会社・企業設立時の商号予約(2020年10月1日 商業省通知 2963号)

新規会社・企業の設立登記はオンラインによって行うことができるようになっていますが、本通知はその際に行う商号予約に関するルールを通知するものです。

一度に予約できる商号は3つまでとされ、予約の有効期間は2週間、そしてこの期間は1回に限り延長することができるとされています。

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11.CHIP MONG Noro モールにおける公共事業交通サービスセンター設置(2020年10月1日 公共事業交通省通知 046号)

自動車登録、自動車所有権移転、車両運転免許証更新等のサービスを提供する公共サービスセンターが、CHIP MONG Noro モール内に新規設置されました。2020年9月30日から営業開始、週7日午前9時~午後9時まで営業(政令所定の休日は除く)。

詳細は1275のHOTLINE番号又は以下のFacebookに連絡すること。

  • 公共事業交通省:fb.com/mpwt.gov.kh
  • 道路運送総局:fb.com/gdlt.mpwt.gov.kh
  • 道路運送局:fb.com/dlt.mpwt.gov.kh

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12.年功補償金過去分の計算(2020年10月3日 カンボジア縫製業協会(GMAC)レター 番号なし)

これまでに労働仲裁評議会は、2019年よりも前の年功に対する年功補償過去分の支払につき「雇用終了直前の12か月間の平均月額賃金・ボーナス」を基準として算定するよう命ずる内容の判断を出してきました。しかしこの計算方法は法令(労働法の改正に関する法律2019年6月10日付の縫製業、製靴業向けの2019年前の年功補償金の支払いに関する指導057号2018年9月21日付の年功補償金の支払いに関する省令443号)の趣旨に違反するとして、GMACは各縫製業者に対して、この仲裁判断ではなく法令に従って適切に算定するよう通知するレターを出しました。

  1. 年功補償過去分は指導057号第2項に従って計算すること。
  2. 2019年よりも前の年功に対する年功補償過去分の算定基礎となるのは基礎賃金のみであり、健康手当、労災手当、残業代、ボーナス、コミッション手数料などは含まない。
  3. GMACメンバーである使用者が何者かによって基礎賃金以外の支払を含むよう要求を受けた場合はすぐにGMACに連絡をすることとし、GMACが解決に協力する。
  4. 必要であれば、GMACはリーガルチームまたは弁護士を派遣して、法令に従った年功補償の支払実施をサポートする。

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13.オンライン選挙登録で提出されたIDが失効・変更となった場合の更新手続(2020年10月1日 国家選挙委員会決定 150号)

本決定は、オンラインで選挙登録した際に使用したカンボジアID等の身分証明書が失効したり内容変更があった場合の手続きを規定したものです。失効した場合や変更があった場合は、オンラインで国家選挙委員会のウェブサイトhttps://voterlist.nec.gov.kh/所定の申請書式を使用して情報更新をすることができます。

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14.イスラム教儀式の再開許可(2020年10月6日 保健省告知 212号)

本告知は、COVID-19の影響で禁止されていたイスラム寺院で行うイスラム教式の葬儀、その他の宗教儀式を段階的に許可する旨を通知するものです。ただし、地域横断的な集会・巡礼は、別途政府からの許可通知が出るまで禁止とされています。

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15.無償で依頼を受ける弁護士の名簿(2020年10月7日 司法省レター 1584号)

司法省は、始審裁判所における弁護士不足及び事件滞留の問題を解決するため、全国の始審裁判所に待機して無償で事件を受任するボランティア弁護士の名簿を作成し裁判所に提供しました。

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