TSURUGI NEWSLETTER (TNL45)

発行番号:45

文 責:嶋貫賢男

*下記はTSURUGI SOLUTIONが独自に作成した抄訳・要約・解説です、正確な全文は原典をご参照下さい。原典は各リンクからダウンロードできます。

1.航空会社に対する税制優遇措置(2024年6月7日 税務総局指導 009号)

  • カンボジア国内で使用するために外国から借りている航空機の賃料に対する源泉徴収税を14%から10%に減額する。
  • 航空旅客サービスに対する特別税を10%から5%に減額する。
  • 上記の優遇措置の実施は2024年6月1日から2027年5月31日までの3年間とする。

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2.2024年の税務調査の実施(2024年7月9日 税務総局通知 24145号)

本通知は2024年に実施する税務調査について下記のとおり通知するものです。

 

  • 2024年に実地税務調査を行う企業数は3006社であり、実施前に事前通知をする
  • 各企業に対して実地税務調査が実施されるのは、問題が発見されない限り、3年に1回までである
  • 各企業は、自社の税務遵守状況を確認するために、任意で過去3年分の税務調査の実施を申請することもできる

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3.1997年12月19日よりも前に建築された区分所有建物の区分所有登記(2024年7月19日 国土整備・都市化・建設省令 050号)

コンドミニアム(いわゆる分譲マンション)は、各部屋が独立した所有権の対象として登記され、部屋ごとに権利証が発行されます。これを区分所有登記といいます。

本省令は、登記手続が整備されていなかった1997年12月19日よりも前に建築された区分所有建物を、今から区分所有登記することができる手続を定めたものです。

少なくとも下記書面を提出することとされていますが、事案に応じて補助書面の提出が必要となることもあると思われます。

  • 登記申請書
  • 各区分所有者の身分証明書の写し
  • 不動産の占有証明書の写し(もしあれば)

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4.アルコール飲料の商業広告をするために必要な手続(2024年7月23日 情報省令 084号)

本省令は、エタノール濃度3%を超えるアルコール飲料の商業広告をする際の遵守事項及び取得しなければならない許可の申請手続を定めています。

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5.自営業者(Self Employed)とその家族が社会保障基金(NSSF)に登録できる携帯アプリ(2024年8月1日 労働職業訓練省通知 020号)

 

本通知は、自営業者とその家族メンバーがNSSFに登録できる携帯アプリの運用が2024年8月1日から開始したことを通知するものです。

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6.ジャーナリズム憲章の施行(2024年8月6日 情報省令 085号)

 

本省令は、カンボジアにおけるジャーナリズムの基本原則、ジャーナリストの権利義務などを定めたジャーナリズム憲章を施行するものです。

 

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7.不動産登記のオンライン申請の試験運用(2024年8月13日 国土整備・都市化・建設省レター 2061号)

 

本レターは、2024年8月5日から、不動産の売却・贈与・抵当権設定・質権設定のオンラインサービスを試験的に運用解する旨を通知するものです。申請はhttps://cadastral.mlmupc.gov.khから行うことができます。

 

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8.期限が切れたツアーガイドライセンスとツアーガイド通訳者ライセンスに対する過料の免除(2024年8月23日 観光省通知 329号)

 

本通知は、期限切れのライセンスを保持するツアーガイドとツアーガイド通訳者に対して、2024年12日31日までに更新を申請すれば過料を免除すると通知するものです。

 

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9.会計及び監査ライセンスの申請要件(2024年8月26日 会計及び監査規制当局決定 055号)

 

本決定は、会計及び監査ライセンスを申請する者が満たさなければならない要件を規定しています。以下のとおり所定するものです。過去の違反歴、破産歴などに関する事項が列挙されています。

 

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10.2025年の祝祭日(2024年8月29日 政令204号)

 

本政令は公務員・労働者の2025年のカンボジアの祝祭日を改めて発表するものです。

 

1月1日     (水) 新年

1月7日     (土) 虐殺政権からの解放日

3月8日     (土) 国際女性の日

4月14日   (月)‐16日(水) クメール正月

5月1日     (木) 国際労働者の日

5月11日   (日) 仏誕節・ピサク ボチェア セレモニー

5月14日   (水) シハモニ国王誕生日

5月15日   (木)   王室始耕祭

6月18日   (水) モニク前王妃誕生日

9月21日   (日)‐23日(火) プチュンバン

9月24日   (水) 憲法記念日

10月15日 (水) シハヌーク前国王記念日

10月29日 (水) シハモニ国王即位記念日

11月4日   (火)‐6日(木) 水祭り

11月9日   (日) 独立記念日

12月29日 (月)   平和の日(2024年から開始する新祝日)

 

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11.観光省の公共サービス(2024年8月29日 経済財務省令及び観光省の共同省令 536号)

本共同省令は、観光省が発行する許可証やライセンス等の公共サービス手数料とその効力を規定するものです。

 

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12.観光省の管轄する過料(2024年8月29日 経済財務省令及び観光省の共同省令 537号)

 

本共同省令は、観光省が発行する許可証やライセンス等に関する過料の金額を規定するものです。

 

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13.2025年の外国人雇用枠の申請(2024年9月11日 労働職業訓練省通知 026号)

 

本通知は、2025年に外国人を雇用する予定の企業に対して、2024年9月1日から11月30日までの間にwww.fwcms.mlvt.gov.khから外国人雇用枠(Quota)を申請するように通知するものです。企業が外国人雇用枠を取得せずに外国人を雇用した場合、労働法違反となり罰金の対象となります。

 

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14.税務当局に対する事業閉鎖手続(2024年9月17日 税務総局通知 32775号)

 

事業を閉鎖するときは、事業閉鎖の日から15日間以内に税務当局に対して確定閉鎖の申請をしなければなりません。本通知は、その手続を規定しています。

 

申請方法

www.registrationservices.gov.khからオンラインで申請するか、税務支局に直接申請する。

 

添付書類

  • 事業確定閉鎖の通知書
  • 事業閉鎖申請書
  • 事業閉鎖の印紙税として百万リエルを支払った領収書

手続

事業者は、閉鎖申請後は月次・年次の税務申告を実施する義務を負わない。税務当局は税務監査を実施し、事業者は書類提出等の協力をしなければならない。

 

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15.事業準備のためのフリーレント期間中の不動産賃貸税(2024年9月18日 税務総局指導 33000号)

 

不動産の事業用賃貸借において、事業準備のための建築・改築・修繕の期間は賃料を発生させないフリーレント期間としたり、賃料を下げたりすることがよくあります。本指導は、このような準備期間の賃料に対する課税ルールを示すものです。

  • 事業準備期間中も免税となるわけではなく、所得税、源泉徴収税、付加価値税は契約内容に従って発生する。
  • 準備期間の長さは、賃貸期間全体の10%を超えてはならない。
  • 不動産所有者は、契約締結日から30日以内に契約書を税務当局に提出しなければならない。
  • 準備期間が延長する場合は、税務当局にその旨を通知しなければならない。

 

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16.資産譲渡時に課税される印紙税(2024年9月19日 経済財務省 577号)

この省令は、資産譲渡時などに譲受人が支払義務を負う印紙税に関するルールを規定するものです。印紙税は、動産・不動産・株式などの資産譲渡時や、会社の合併時や閉鎖時の法的文書などに支払義務が発生します。なお、相続による資産移転の際は印紙税は発生しません。

印紙税額は、資産譲渡の場合は資産額の4%、株式譲渡の場合は株式価値の0.1%、国家予算から支払われる商品またはサービスの供給契約は契約金額の0.1%、会社合併や閉鎖などの法的文書は1,000,000リエルとされています。

資産価格や株式価格は市場価格を基準としますが、経済財務省は独自に資産価格を定めることができるとされています。

 

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17.2025年の縫製製靴業の最低賃金(2024年9月20日 労働職業訓練省令 211号)

本省令は、縫製製靴業の2025年の最低賃金を1か月208ドルと規定するものです。2024年の最低賃金である204ドルから4ドルの上昇となりました。賃金と別に支給されていた諸手当(交通費等)は減額せずに据え置くこととされています。また、試用期間中の労働者の最低賃金は206ドルとされています。新最低賃金は2024年1月1日から適用されます。

 

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18.完済した顧客への担保不動産権利証の返還(2024年9月23日 カンボジア国立銀行指導 005号)

 

この指導は、全ての銀行・金融機関に対して、顧客が貸金を完済した日から7営業日以内に、担保として取得していた不動産の権利証を返還するよう指導するものです。

 

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19.不動産関係の税制優遇措置の継続(2024年10月9日 経済財務省通知 014号)

この通知は、2024年8月22日付の「政府の1年間の成果」に関する宣言に基づき、免税及び税制優遇措置の継続・停止につき下のとおり通知するものです。

 

不動産の譲渡時に支払う印紙税

1.7万ドル以下の集合住宅(ボレイ)の所有権・占有権を譲渡する際の印紙税は2025年末まで免除する。

2.7万ドル以上の集合住宅(ボレイ)の所有権・占有権を譲渡する際の印紙税は、免除はしないが課税標準から7万ドルを控除する優遇を2025年末まで継続する。ただし、不動産事業ライセンスを取得した集合住宅(ボレイ)開発計画から購入した住宅に限る。

上記の免税・税制優遇措置の適用を受けるためには下記を満たさなければならない。

  • 2020年2月25日から2025年末までの期間に売買契約に基づき不動産所有権・占有権を取得し、この期間以内に税務申告をすること。
  • 経済財務省(不動産及び質業規制当局)または経済財務局に登録された不動産開発プロジェクトから不動産を購入したこと。
  • 市場価格に基づき適切な売買契約を作成したこと。税務当局は、不当な廉価で売買されていないかチェックするため、必要に応じて売買価格を見直すことがある。

 

キャピタルゲイン税

不動産に対するキャピタルゲイン税の適用は2025年末まで延期する。その他の資産(リース、投資資産、のれん、知的財産、外貨)に対するキャピタルゲイン税は、2025年から適用開始とする。

 

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20.自主的な修正申告による延滞税等の免除(2024年10月10日 経済財務省令 625号)

 

この省令は、確定申告に錯誤または不注意による過誤があった場合に、その自主申告納税者または源泉徴収エージェントに対して、自主的に修正申告をするインセンティブを与えるため、2025年6月末までに修正申告をした場合に限り、2024年7月までの活動に関する追徴税、利息、過料を免除するもので、2024年1月30日付の自主的な修正申告による延滞税等の免除に関する省令071号を改正する内容となっています。

免除の対象となるのは、税務調査で発見される前に修正申告した場合に限ります。

税務調査によって発見された過誤については、追徴税10%と延滞税1.5%(月利)が科されます。

 

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21.シエムリアップ州の観光業に対する税制優遇(2024年10月10日 経済財務省 626号)

この省令は、シェムリアップ州内で事業を行っているホテル・ゲストハウス・レストラン・旅行代理店に対して、以下のとおり税制優遇を実施するものです。

 

1.付加価値税と宿泊税を除き、全ての月次納税を2024年7月から2025年6月まで免税する。

2.2024年の年次所得税を免税する。既に支払済みの前払所得税は、2025年の年次所得税から控除する。

3.2024年の事業年度については税務監査実施しない。

 

上記に関わらず、中規模納税者と大規模納税者は月次と年次の税務申告は実施しなければならない。

 

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22.不動産評価会社が実施している簡易鑑定評価は禁止する(2024年10月31日 不動産及び質業規制当局通知 番号なし)

 

この通知は、不動産評価会社が、銀行・金融機関の担保不動産を評価するために現地調査を行わない簡易鑑定評価を実施しているが、評価の信頼性が低いため、2024年11月1日から簡易鑑定評価の実施を禁止すると通知するものです。

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