TSURUGI NEWSLETTER (TNL38)

発行番号:38

文 責:嶋貫賢男

*下記はTSURUGI SOLUTIONが独自に作成した抄訳・要約・解説です、正確な全文は原典をご参照下さい。原典は各リンクからダウンロードできます。

1.オンラインによる年次所得税修正申告のガイドブック(2023年 税務総局書類)

本書面は、年次所得税申告に誤りがあった場合にその修正申告をオンラインで行う方法及び追徴税の納付方法を説明したガイドブックです。

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2.中国の原産地証明スタンプのアップデート(2023年4月19日 関税総局通知 番号なし)

本通知は、中国貿易促進評議会が原産地証明書に押印するスタンプをアップデートし2023年6月1日から新しいスタンプになる旨を通知するものです。新しいスタンプのデザインは本通知に添付されています。

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3.認定経済事業者に対する優遇措置(Authorised Economic Operator Programme-AEO) (2023年4月19日 経済財務省令 209号)

本省令は、税関から認定を受けた事業者に対して、通関手続の簡略化や迅速化などの優遇措置を与える旨を規定するものです。認定を受けるためには、取引に関する文書の適切な作成及び保管、適切な納税、健全な財務状態、などの要件を満たし、申請をする必要があります。

 

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4.会計・監査ライセンスに関する省令(2023年4月20日 非銀行金融機関規制当局省令 019号)

本省令は、会計及び監査業務を行う事業者が取得しなければならないライセンスの申請・更新・停止・取消の手続き及びその費用を規定するものです。会計・監査業務を行うためには、会計監査規制当局(ACAR)からライセンスを取得しなければなりません。ライセンスを取得するためには、カンボジア会計士及び監査人協会(KICPAA)に登録された公認会計士が51%以上の株式を保有しなければならないとされています。

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5.会計・監査ライセンスに関する省令の適用(2023年4月26日 会計及び監査規制当局通知 0016号)

 

本通知は、会計・監査ライセンスに関する省令の適用開始について通知するものです。

 

1.上記省令の適用前からライセンスを取得していた会計・監査会社について

  • 取得済みのライセンスはその期限まで有効とする。
  • 2023年から年次ライセンス費用を支払わなければならない。
  • 会計監査規制当局(ACAR)から監査レポートにサインをする許可を受けた者(自然人)は、上記省令の適用日から90日以内に会計・監査ライセンスの申請をしなければならない。

 

  2. 外国人の会計士・監査人で会計監査規制当局(ACAR)から会計・監査業務を行う許可を得た者について

 

3. 会計監査規制当局(ACAR)からのライセンス又は許可を受けずに会計・監査サービスを提供している者について

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6.会計・監査ライセンスの申請方法(2023年5月11日 会計及び監査規制当局指導 0019号)

 

本指導は会計及び監査ライセンスの取得を希望する者に対して、下記の順序で申請するよう指導するものです。

  • カンボジア会計士及び監査人協会(KICPAA)申請する。連絡先電話番号は本指導記載のとおり。
  • カンボジア会計士及び監査人協会(KICPAA)のメンバーになった後、2023年4月20日付の会計及び監査職務ライセンスの管理に関する省令019号に基づき、会計監査規制当局(ACAR)に対して、会計・監査ライセンスの申請をする。
  • 申請の受理から15日間以内に、ライセンスを発行するか否かの返事が出される。

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7.アメリカ市民の口座情報を提供する際の納税者番号(U.S.TIN)の記載方法(2023年5月12日 税務総局通知 14586号)

 

本通知は、2019年12月31日付FATCAの適用についての経済財務省令1459号の第4条に基づきアメリカ市民の口座情報を提供するカンボジアの金融機関に対して、2022年から2024年までの口座情報をアメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)へ報告する際、口座保有者のアメリカ納税者番号(U.S.TIN)が分からない場合は、TINの欄に以下のように番号を入力するよう指導するものです。

₋Preexisting Depository Individual Accountの場合:000222111

-Preexisting Individual Accountの場合: 222222222

-New Individual Accountの場合:333333333

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8.オンラインによる年次所得税申告書の変更手続き(2023年5月12日 税務総局指導 14684号)

 

本指導は、オンラインによる年次所得税申告の管理システム(ToIE-filing)による所得税申告書の変更手続きを以下のとおり規定するものです。

  1. オンラインによる年次所得税申告の管理システムにログインして、「税申告書の変更」を選択する。
  2. 変更すべき情報を選択して保存する。

変更後、支払うべき税金がある場合、本指導別紙1所定の支払申請をして、E-Payment Systemでその税金を支払う。

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9.金融機関による2022年のU.S. Reportable Accountsの送付期日 (2023年5月12日 税務総局通知 14587号)

 

カンボジアの金融機関は、アメリカ市民が開設した口座(U.S. Reportable Accounts)を有する場合等は、2019年12月31日付FATCAの適用についての経済財務省令1459号 に基づき、アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)へ報告することが義務付けられていますが、本通知は、2022年のU.S. Reportable Accountsの報告は、租税総局(GDT)が運営するIDES Gatewayを通じて2023年6月30日までに行うよう通知するものです。

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10.企業及び非営利団体の独立監査を受けない財務諸表の提出期限(2023年5月12日 会計及び監査規制当局通知 0020号)

 

企業及び非営利団体の独立監査を受けない財務諸表の提出期限は2023年5月15日となっていましたが、本通知はその期限を2023年6月15日までに延長するものです。

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11.税法(2023年5月16日 )

 

本法律は1997年2月24日付の税法2003年3月31日付の税法の改正に関する法律を廃止し、新たな税法を定めるものです。本法律がカバーしている税金は次のとおりです。

  1. 所得税、ミニマム税、源泉徴収税(3条~39条)
  2. 給与税(給与を支給する事業者が給与から源泉徴収して納税する。40条~54条)
  3. 付加価値税(VAT)(商品売買・サービス提供に対して課税される10%の税金で、購入者が提供者に対して支払い、提供者が購入者の代わりに納税する、日本の消費税類似の制度。55条~84条)
  4. 特別税(石油類、酒類、タバコ、電気製品、車両、電気通信サービス、運送サービス、リゾートなどの生活必需でない商品・サービスの輸入・製造・販売・提供に対して課される特別税。85条~91条)
  5. 公共照明税(タバコ・酒類を輸入又は製造して最初に流通させる際に課される税金。92条~99条)
  6. 宿泊税(ホテル等の宿泊料金に課される2%の税金。100条~107条)
  7. 事業登録税(PATENT)(カンボジアで事業を行う者が実施事業ごとに毎年支払う税金。108条~115条)
  8. 広告看板税(商業目的で宣伝、名称・住所・写真等を掲示する場合に毎年支払わなければならない税金。毎年1月から3月までに申告して支払うこととされている。116条~123条)
  9. 石油鉱物資源取引税 (カンボジア政府から石油・鉱物の取引許可を受けた者の課税所得に対して課される30%の税金。124条~138条)
  10. 不動産賃料税 (不動産を賃貸借した際の賃料に対して課される10%の税金。139条~146条)
  11. 不動産税(カンボジア国内の不動産に対して不動産評価委員会の評価額の1%の割合で毎年課される、日本の固定資産税に類似する税金。147条~154条)
  12. 譲渡税(不動産・動産の譲渡や現物出資の際に課される4%の税金、及び株式譲渡の際に課される1%の税金。第155条から第164条)
  13. キャピタルゲイン税(資産売却/譲渡により得た利益(売却価格から取得原価と経費を引いた残額)に対して20%の税率で課される税金。対象となる資産は不動産だけでなくのれん・知的財産・外貨なども含まれ、譲渡益を得てから3か月以内に申告納税しなければならない。165条~172条)
  14. 遊休土地税(利用せずに遊休地となっている土地につき不動産評価委員会の評価額の2%の割合で毎年課される税金。173条~180条)
  15. 郵送手段税(船舶、トラック、トゥクトゥク、トラクターなどの輸送手段の所有者に毎年課される税金。181条~188条)

 

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12.2018年5月11日付の土地開発に関する省令087号の廃止(2023年5月19日 土地管理・都市計画・建設省令 083号)

 

本省令は、2018年5月11日付の土地開発に関する省令087号を廃止するものです。

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13.小規模納税者から中規模納税者又は大規模納税者に変更した企業の納税義務の履行(2023年5月19日 税務総局指導 16118号)

 

本指導は、小規模納税者から中規模納税者又は大規模納税者に変更した企業に対して、以下のとおり納税するよう指導するものです。

  1. 小規模の事業登録税(PATENT)を納めた小規模納税者は、中規模納税者又は大規模納税者に変更した場合でも、その年の中規模又は大規模の事業登録税を支払う必要はない。
  2. 税務支局で納税者種別をアップデートした月から、中規模納税者又は大規模納税者として月次及び年次の申告を開始する。E-filingシステムによる税申告を準備するため3か月間の猶予があり、この間は手書きによる税申告を行う。
  3. E-filingシステムで最初の税申告をする際に資産リストを作成して入力する。この資産は2020年1月29日付の所得税に関する省令に従いNET BOOK VALUEで算定する。
  4. E-filingシステムで最初の税申告をする際に在庫商品リストを作成して入力する。インプットVATは在庫商品価格の80%で計算する。

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14.国土整備・都市化・建設省の公共サービス費用の支払免除(2023年5月22日 経済財務省及び国土整備・都市化・建設省の共同省令 312号)

 

本共同省令は、国土整備・都市化・建設省が提供する公共サービスのうち、次のものについては費用を免除するものです。

  1. 私立病院、私立学校、適正価格住宅の建築に関する建築許可証の申請等。
  2. 適正価格コンドミニアム開発における区分所有権の初期登記。
  3. 公務員が測量者となった場合の初期測量証明書

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15.遺伝資源へのアクセスとその利用から得られる利益の適正分配(2023年5月26日 政令 104号)

 

本政令は、企業が遺伝資源を採取・利用して薬品・化粧品などを開発・販売して利益を得た場合に、その利益を遺伝資源の提供者に対して適正に分配すべき国際ルール(ABS: Access and Benefit Sharing)を定めた名古屋議定書を、カンボジアにおいて実施するための政令です。例えば、日本の研究機関や企業が薬品・化粧品等を開発するためにカンボジアの森林に生息する生物や植物から遺伝資源を抽出する目的で採取しようとする場合、本政令に定める手続に従い、遺伝資源の提供者との間で利益分配に関する合意を締結し、カンボジア環境省から許可を得た上で採取しなければなりません。利用者側は、カンボジアの遺伝資源提供者との間で、金銭支払、技術支援、インフラ整備等の利益分配を協議して合意する必要があります。本政令に従わずに遺伝資源を利用した者は、本政令に定める罰金(行政罰)が課されます。

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16.2023年の車両税徴収(2023年5月30日 税務総局通知 17665号)

 

本通知は、全ての車両所有者に対して、2023年の車両税を2023年6月1日から2023年11月30日までの間に支払うよう通知するものです。支払は州・区(Khan)の税務支局、カナディア銀行、ACLEDA銀行、カンボジアパブリック銀行、VATTANAC銀行、J Trust Royal銀行、Sathapana銀行、CP銀行、ウィング銀行、ABA銀行、経済財務省とMOUを締結した銀行、又はGDT Taxpayer Appから行うこととされています。

大使館・領事館、国際NGO、政府機関の車両については、車両税公費負担の証明書を受け取るために租税総局(GDT)へ申請すること。

上記の車両税の支払を怠った場合は罰金の対象となります。

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17.3州の市に対する2023年末まで不動産税の免除(2023年6月1日 経済財務省令 329号)

 

本省令は、下記地域の土地につき、2023年までの不動産税を免除するものです。

  1. カンポンスプー州のウドンメーチェイ市
  2. カンダール州のアレイクサット市とサムポウプン市
  3. カンポット州のボッコー市

上記の不動産所有者は、市の税務支局又は税務総局の動産不動産局にて不動産を登録する義務がありますが、2023年末までの不動産税は支払う義務はありません。また、上記の不動産につき既に不動産税を支払った者は、次の年の不動産税に充当することができます。

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18.第7回総選挙の休日(2023年6月3日 労働職業訓練省指導 045号)

 

本通知は、2023年5月29日付の第7回総選挙の期日に関する政府決定46号及2023年6月3日付の政府通知547号に基づき、工場・企業に対して、労働者が2023年7月23日の第7回総選挙を参加することができるようにするため、2023年7月22日から24日までの3日間は有給で休暇を与えるよう指導するものです。工場・企業は以下のとおり実施しなければなりません。

  1. 上記休暇から職場に戻った労働者は、休暇に関する書類を提示する義務はない。
  2. 企業は可能な限り2023年7月22日の前に給料を支払うこと。それができない場合は、給料の一部前借りを認めること。

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