TSURUGI NEWSLETTER (TNL20)

発行番号:20

文 責:嶋貫賢男

*下記はTSURUGI SOLUTIONが独自に作成した抄訳・要約・解説です、正確な全文は原典をご参照下さい。原典は各リンクからダウンロードできます。

1.外国弁護士がクメールルージュ特別法廷の弁護人に就任するための手続・要件(2020年12月18  日 弁護士会決定 1014号)

本決定は、外国の弁護士がクメールルージュ特別法廷(ECCC)の弁護人に就任するために必要なライセンスをカンボジア弁護士会に申請するための手続・要件を規定したものです。申請料500ドル、ライセンスの有効期間1年間等が規定されています。

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2.タイへの労働者派遣の一時停止(2020年12月21日 労働職業訓練省通知 045号)

本通知は、COVID-19の感染状況を考慮して、タイのサモットサーコン州で労働するカンボジア人労働者の保護に関する措置を通知するものです。

     ア‐現在タイに居住しているカンボジア人労働者に対して

  1. フン・セン首相の指導にしたがうとともに、タイの当局によるCOVID-19対策を信頼して実践すること。
  2. タイの当局による禁止事項を遵守し、州をまたぐ転居や転職を行わないこと。
  3. タイの当局及び使用者による保健措置に協力し実践すること。
  4. 在タイカンボジア大使・領事による指導、通知を遵守すること。
  5. 石けんまたはジェルを使用して頻繁に手を洗うこと、マスクを着用すること、職場及び住居は良好な衛生状態を保つこと、人が多い場所へは行かないこと。
  6. 問題がある場合は在タイカンボジア大使・領事に連絡すること。
  7. カンボジア労働省は、COVID-19感染拡大期間中にタイにいるカンボジア人労働者が一時的に合法的にタイで働けるよう、タイ労働省と調整中である。

     い‐カンボジアに帰国する必要があるカンボジア人労働者に対して、

  1. 帰国する際は、​オスマッチ、ドウン、ポイペトのいずれかの入国路を使用しなければならない。
  2. 国境の当局担当官に従って健康診断及び14日間の隔離を実施しなければならない。
  3. 隔離が終了して故郷に帰る際は隔離センターの車を使用しなければならない。
  4. 故郷の当局に、自分はタイから戻ったばかりであることを通知しなければならない。
  5. 生活に関する問題がある場合は、政府支援を受けるために現地当局に通知すること。
  6. カンボジア国内で就職したい場合は国家雇用機構のウェブサイト:nea.gov.kh又は017890656番で名前を登録してください。外国で働きたい場合は合法な民間職業紹介エージェントに登録してください。
  7. 労働職業訓練省が提供する無料の職業訓練のコースに登録してください。

     ウ‐民間の職業紹介エージェント及び関連する役人に対して、

  1. 新たな通知が出されるまでの間、タイへの労働者派遣を停止する。
  2. 労働者を補助するため、タイの使用者・使用者団体・当局と連絡を継続すること。

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3.医師の診断書はコンピューターで発行しなければならない(2020年12月21日 保健省通知 102号)

保健省は、民間診療所が発行する診断書はコンピューターで作成するよう以前から指導してきましたが、本通知は、今でも手書きで診断書を発行している民間診療所があることに鑑み、全ての民間診療所はコンピューターで診断書を発行しなければならず、違反した場合は5百万リエルの罰金、ライセンスはく奪、または診療所閉鎖の処分を課す旨を通知するものです。

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4.COVID-19の影響を受けた者を支援する追加措置(第7回)(2020年12月23日 政府プレスリリース 番号なし)

カンボジア政府は、COVID-19の影響を受けた者を支援するための第7回追加措置を発表しました。

  1. 縫製業・観光業に対して
  • 労働省から雇用契約停止の許可を得た企業の労働者に対する政府支援金の支給を延長することとし:

- 縫製製靴旅行用品製造業については、政府は2021年1月から3月末までの3か月間、労働者一人につき月額40米ドルの支援金を支給し、使用者はこれに30米ドルを加え、各労働者が月額70米ドルを受け取るようにすること。

- ホテル業、ゲストハウス業、レストラン業、旅行代理店業等の観光産業で働く労働者に対して、政府は2021年1月から3月末までの3か月間、労働者一人につき月額40米ドルの支援金を支給し、使用者はそれぞれの資力に応じて自主的に上乗せ手当を支給すること。

  • プノンペン市、シェムリアップ州、シハヌークビル州、ケップ州、カンポット州、バヴェット市、ポイペト市で事業を行っているホテル、ゲストハウス、レストラン、旅行代理店で、租税総局に税務登録されている者に対して、2021年1月から 3月までの3か月間、全ての月次申告税を免除するが、月次税務申告書の提出・オンラインでの月次付加価値税申告(E-VAT)は実施しなければならない。
  • 社会保障年金の実施開始をさらに6か月遅らせて2021年7月まで延期する。
  • 事業停止期間中の国家社会保障基金(NSSF)の労災保険・健康保険の保険料支払の免除は継続する。
  • 旅行代理店その他の観光業者に対するパテント税及び看板税の免除は継続するが、パテントの更新はしなければならない。
  • プノンペン市、シェムリアップ州、シハヌークビル州、ケップ州、カンポット州、バヴェット市、ポイペト市で事業を行っているホテル、ゲストハウス、レストラン、旅行代理店で、租税総局に税務登録されている者は、2021年3月末までに2020年の所得税申告書を提出しなければならないが、全ての種類の税金を免除する。
  1. 航空会社に対して
  • カンボジアで登録されている航空会社に対するMinimum Tax免除は、2021年1月から3月までの3か月間さらに延長する。
  • 民間航空庁に対する未払料金の支払延期措置を2021年1月から3月までさらに延長し、延長期間後は分割払いすることを認める。
  1. 工場・企業に対して
  • 2019年よりも前の年功、2020年の年功及び2021年の年功に対する年功補償金の支払を2022年にまで延期することを認める。ただし、社会経済状況が改善する場合は、関連省庁は、年功補償金の段階的支払を開始するため、工場・企業と協議を開始しなければならない。改善が見られない場合は政府が工場・企業・労働者の支援を検討する。
  1. 成長支援策
  • 2021年12月までに経済財務省又は経済財務局に登録されている住宅開発会社から7万ドル以下の家を買った買主に対して、譲渡税を免除する。同時に、政府は全ての住宅開発会社に対して、可能な限り家の値段を下げるよう要請する。
  1. 金融機関が国内・国外から借りているローンの金利に対する源泉徴収税の減税
  • 新規ローンについては、2021年は5%に引き下げ、2022年は10%に引き下げ、2023年からは通常に戻す。
  • 既存ローンについては、2021年は10%に引き下げ、2022年からは通常に戻す。
  1. 貧困家庭及び弱者の支援策
  • 貧困家庭及び弱者に対する支援金の支給は、2021年1月から3月までの3月間延長する。

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5.COVID-19の疑いがある患者に対する治療の禁止(2020年12月25日 保健省レター 103号)

本指導は、COVID-19感染拡大防止のため、全ての民間診療所に対してCOVID-19の疑いのある患者に対する治療を禁止し、これらの患者は公立・国立病院へ搬送しなければならない旨を指導するものです。

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6.COVID-19の影響を受けた者に対する追加支援措置(第7回)の実施(2020年12月28日 観光省指導 024号)

本指導は、上記2020年12月23日付「COVID-19の影響を受けた者を支援する追加措置(第7回)」に関する政府プレスリリースに記載された観光業に対する支援策に沿った措置の実施を規定したものです。

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7.労働職業訓練の再開(2020年12月29日 労働職業訓練省通知 番号なし)

2020年11月28日のCOVID-19事案を受けて、労働職業訓練省は公立・私立の職業訓練施設(協会・組織・団体を含む)に対して訓練の一時停止を要請していましたが、本通知は、COVID-19感染拡大防止措置を実施することで本通知日から訓練再開を許可するものです。

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8.2020-2021学期の再開(2020年12月29日 教育省通知 92号)

本通知は、2020年11月28日のCOVID-19事案が収まったことを受け、公共教育施設に対して2021年1月11日を2020年‐2021年学期の開始日として再開することを認めるものです。ただし、2020年8月4日付で出された学校再開基準を徹底することとされています。

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9.私立教育施設の再開(2020年12月29日 教育省通知 93号)

本通知は、2020年11月28日のCOVID-19事案が収まったことを受け、本通知日から私立教育施設の再開を許可するものです。ただし、2020年8月4日付で出された学校再開基準を徹底することとされています。

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10.建築許可証の申請(2020年12月30日 政令 224号)

本政令は、建築物の建設許可証・修理許可証・撤去許可証・工事開始許可証の申請・更新の手続きを定めたものです。許可証を管轄する機関は建築物の種類によって下記のとおり分類されています。

  1. 下記の建築許可証又は撤去許可証は国土省大臣が管轄する:
  • 面積3000m2を超える建築物
  • 立て直し・増築・改築により面積が3000 m2を超える建築物
  • 地上階を含めて11階建てを超える建物
  • 地下の深さが5メートルを超える建物
  • 高さ5メートルを超える壁
  • 危険な可燃性物質が保管される場所
  • 高さ15メートルを超える、又は容積50立方メートルを超える貯水槽
  • スタジアム、ゴルフ場、レース場、リゾート、スイミングプール、博物館・美術館、劇場、カンファレンスホール、映画館などの、スポーツ、観光、文化に関する建築物
  • 自然・文化遺産・歴史などの保護区域内の建築物
  • 車両ターミナル、駅、港、空港、発電所の中の建物
  • 出入国路沿いの建物
  • 電話、ラジオ、テレビの電波塔
  • その他、高さ30メートルを超える建築物
  1. 下記の建築許可証・修理許可証・工事開始許可証・撤去許可証は市・州レベルの委員会が管轄する:
  • 面積3000m2以下、高さ11階以下、かつ地下の深さ5メートル以下の建築物
  • 立て直し、増築、改築により面積が500m2を超え3000m2以下になる建築物。
  • 高さ5メートル以下の壁
  • 高さ3メートルを超える石またはコンクリート製の柵
  • その他の高さ30メートル以下の建築物
  1. 下記の建築許可証・修理許可証・工事開始許可証・撤去許可証は、区・地区レベルの委員会が管轄する:
  • 面積500m2以下、高さ4階以下、かつ地下のない建築物
  • 立て直し、増築、改築により面積が500m2以下になる建築物
  • 高さ3メートル以下の石またはコンクリート製の柵

なお、ライセンスを付与された不動産開発プロジェクトの一部として行われる建築であっても、上記許可証は別途必要となります。

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11.建物確認検査業務ライセンスの要件及び手続(2020年12月30日 政令 225号)

本政令は、建築物が基準に沿って建築されていることを確認検査する業務を実施するために必要なライセンスの要件・手続を定めたものです。

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12建築物使用許可証の発行要件・手続(2020年12月30日 政令 226号)

本政令は、建築物を使用するための使用許可証について定めるものです。建築許可証の取得が必要な建物を建築した場合、その使用者は使用前に品質・安全検査を受け、検査済報告書を添付して使用許可証を申請しなければなりません。申請はOne Window Serviceで行います。なお、その後も下記の頻度で品質・安全検査を実施しなければならないとされています。

  1. 住宅以外の建築物:5年間に1回以上
  2. 住宅:10年間に1回以上
  3. 建築物の消防システム:2年間に1回以上
  4. 危険な建設設備:1年間に1回以上

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13.転々譲渡された未登記不動産の譲渡税免除措置を2021年末まで延長(2020年12月30日 租税総局レター 28517号)

政府は、2017年5月2日付内閣通知367号により、未登記不動産であっても譲渡の度に譲渡税を支払わなければならないが、未登記不動産を地籍局で初期登記することを推進するため、未登記不動産を地籍局で登記する際は最後の譲渡についてのみ譲渡税を支払えばよく、それ以前になされた転々譲渡については当面の間譲渡税を免除する旨を通知しました。

本レターは、この税務優遇措置を2021年12月31日まで延長する旨を通知するものです。

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14.全国の博物館・美術館、映画館、劇場の再開(2020年12月31日 文化芸術省通知 126号)

本通知は、2020年11月28日のCOVID-19事案が収まったことを受け、全国の映画館、劇場、博物館・美術館のうち文化芸術省との間でCOVID-19感染拡大防止措置に関する覚書を締結した事業者については、2021年1月1日から再開することを認める旨の通知です。

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15.ジム、スポーツ活動、リーグ戦及びナショナルチームの集合練習の再開(2020年12月31日  教育省通知 95号)

2020年11月28日のCOVID-19事案を受けて、教育省はジム、スポーツ活動、リーグ戦及びナショナルチームの集合練習を一時停止しましたが、本通知は、これらの再開を許可するものです。衛生状態の維持、石けん・アルコールを使用した手洗い、体温計測、ソーシャルディスタンス、トレーニング場所・ジムに入る者の名前・電話番号・住所を記載させ連絡が取れるようにしておく、等の措置が要求されています。

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16.民事判決の公開(2020年12月31日 司法省通知 番号なし)

司法省は、JICAと協力して、2020年12月31日から44件の民事判決を司法省のウェブサイトで公開しました。これらの判決は、http://www.moj.gov.kh/kh/sample-civil-judgment からダウンロードできます。

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17.診療所がカンボジア人労働者に対する健康診断サービスを提供するための要件(2020 年12月31日 労働職業訓練省令 433号)

本省令は、カンボジア人労働者に対する健康診断サービスを提供する診療所が満たさなければ要件を下記のとおり定めたものです。

  1. 本省令所定の書式を使用して職業医師局と覚書を締結すること。
  2. 保健省によるライセンスを保持し、職業医師局からサービスの品質評価を受けること。
  3. 建物設備、器材、技術・倫理の高いスタッフ、等が揃っていること。

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18.カンボジア人労働者の体質診断(2020年12月31日 労働職業訓練省令 429号)

カンボジア人の労働者は工場・企業で就業する前に、職業医師局で体質診断を受けるか、または認定診療所で健康診断を受けなければなりません。労働者が各地の診療所で健康診断を受けた場合は、使用者は6か月以内に発行された有効な労働者の健康診断結果を添付して職業医師局にオンラインで体質診断証明書を申請しなければならないとされています。

体質診断は、通常は2年ごとに行う必要があり、高度の危険性を有する職業の場合はさらに追加で行う必要があります。

体質診断、健康診断、体質診断証明書の申請に要する費用は使用者の負担とされています。また、異動や転職で労働者の職務内容が変わる場合は、改めて体質診断を受けなければなりません。

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19.信託登録のリマインド(2020年12月31日 経済財務省通知 3836号)

カンボジアで信託事業を行うためには経済財務省への登録が必要とされていますが、本通知は未登録で信託事業を行っている事業者がいることに鑑み、カンボジア国内で信託を提供する事業者に対して経済財務省へ登録するようリマインドするものです。

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